発達の問題とは? ~自閉症、アスペルガー、ADHD、LD

勉強もスポーツも出来る。

友達だっているし、日常の生活は普通に出来ている。

 

なのに、なぜか誤解されたりトラブルも多い。

だから、集団に溶け込むのも馴染むのも苦手。

 

努力もしてるのに、なんか生き辛い…。

 

 

発達障害だからかも…

 

いじめや引きこもり、孤立や社会不安などの背景の一つに発達障害があります。

DSM-5という米国の診断基準では、身体、学習、言語、行動などの機能が十分に働かない事を神経発達障害と呼び、大人になってから発覚するなどもあって世界的に増加傾向にあります。

日本では、6.5%の児童が該当すると言われ、判断には知能や心理の検査を行いますが、診断は精神科医、心療内科医によってなされます。

原因については先天的な脳機能の欠陥だとされていますが、未だ不明な点も多く、投薬や他の方法を用いても治ることはありません。

 

これまで性格の問題だと考えられてきた、「やんちゃ、落ち着きがない、大人しい、ボーっとしている、忘れ物が多い、人見知り、コミュ症、KY、天然、変わり者」などは、実は障害だった可能性がある、という事になりました。

普通ではなく、集団や社会から逸脱してしまう人々の多くは、こうして理解されていく一方で、見えない差別を受ける事にもなるでしょう。

 
もしかして障害あるんじゃない?
きっとADHDだよ
やばい…アスペじゃん
 

どうしても理解に苦しんだり煩わしく感じる人もいますし、彼らとの付き合い方や関わり方に慣れていなければ、混乱して疲弊してしまう可能性があります。

そもそも、誰にでも優しさやホスピタリティを期待するのは間違いです。

現代社会は、心にゆとりが持てなかったり自分の事だけで精一杯だったりもしますから、それも仕方がないことです。

だからこそ、それをどうにかしようという政策や啓蒙活動が盛んなのでしょう。

 

障害者を取り巻くリアルな現実は、シビアです。

ご自身がその傾向を生まれ持っていたとすれば、理想的な平等社会の実現を待つより、より良く生きるための“具体策”ありきではないでしょうか。

 

神経発達障害とは

 

まず、その種類と内容について触れたいと思います。

注意欠如・多動症(ADHD)



 

落ち着きが無くてじっとしていられない、衝動的で抑制が出来ないなどの多動タイプは「ジャイアン型」と呼ばれ、のんびりしてボーっとしており、忘れ物や不注意が多い注意欠陥タイプは「のび太型」と呼ばれます。

児童の8~11%が該当するとされており、他の精神障害を並存する確率が6~7割高く、男児の割合が2倍です。

 

自閉スペクトラム症(ASD)



 

他者とコミュニケーションや関係を築くことが苦手です。相手の言動や表情などから状況を察することが難しく、関心や動作が限定的で、何らかの行為や対象(電車、アニメ、コンピューター、ゲーム、歴史など)に強いこだわりを持ちます。

1.7%の児童が該当し、男児の比率は約4倍となっています。

 

学習障害(LD)



 

知能は正常であったり高かったりしますが、読む、書く、計算する、聞く、話す、推論するなどの能力のうち特定のものに著しい困難があります。

3つの代表的なタイプ

読字障害(ディスレクシア) 文字の理解、読むことが出来ない。
書字障害(ディスグラフィア) 字を書くこと、写字が出来ない。
算数障害(ディスカリキュリア) 数の理解や、計算が出来ない。

 

他にも、知的機能に支障がある知的能力障害や、遺伝子変異によって女児に発生するレット症候群、突発的な動きのチック症(トゥレット障害)なども含まれます。

また、これらが並存する事もあります。

 

これらの特徴とは対照的に、一度見たものを忘れないなどが特徴の、優れた記憶力や偉才を持つサヴァン症候群があります。

他にも、突出した知能と精神性を兼ね備えたギフテッドと呼ばれる人々もいます。彼らは教師をも遥かに超える知能を持ち、通常の学校教育が退屈過ぎて苦痛を感じます。

そして、文科省がギフテッド支援に動き出すようですが、今後の動向に注目したいと思います。

しかし、社会支援が行き届くことを待っていられませんし、集団の同調圧力がある社会では、当事者の自立計画がとても大切です。

 

自己受容からがスタート

 

治らないのであれば、残されるのは対応策あるのみです。

まずは、素人判断ではなく医師の診断が第一になります。

 

発達障害は、知的な問題がなかったり、むしろ記憶力などが優れていたりする場合もあるので判断は非常に困難ですが、私が担当してきた相談者の方では3割程度が該当します。

しかし、大半の方は無自覚なので、安易に医療に繋げるのはかなりデリケートな問題があります。

あえて心理相談を選ばれている訳ですし、「自分は(うちの子は)、障害者ではない」という思いがあれば、強い抵抗を受けるからです。

自覚していればとっくに受診していますので当然でしょう。

また、ほとんどの場合投薬での治療になるので、それもハードルの一つだと言えます。

「薬は嫌だ。効果が疑わしい」などのご意見も聞かれます。

しかし、必ず薬が必要なのではありませんし、例えばグレー判定であっても、「性格が歪んでいる」とか、「怠け者」、「家庭環境のせい」などの自己認識や思い込みから解放されるでしょう。

ショックを感じる方もいる一方で、自覚できたことで救われたという方もいます。

 
生まれつきの特性だったのか…
 

個性の一つとして、まずは自分自身を認めて自己受容することがスタートだと言えます。

 

社会支援を得る方法

 



 

次に、情報収集と支援の要請です。

もしも、我が子にその傾向が見られれば、昨今のインクルーシブ教育システム(多様性を受け入れて共生する)に則って、特別支援学級や通級指導なども選択肢に入れる事がお勧めです。

あえて通常級に入っても疎外感に苦しむ可能性は高く、ハードルを課すデメリットの方が多いと思います。

過去には「特殊学級」とか、「なかよし組」などと差別化された発達児童の特別クラスですが、ここは少人数で専門の教員から個性に配慮した手厚いサポートが受けられます。

保護者の中には、支援級に対する嫌悪感があり躊躇される方もいらっしゃいますが、これは障害者だけが得られる教育支援の一つであり、集団内の同調圧力から子供を守り、個性を尊重されるという経験が得られます。

ただし、通常級との違いを認識したときの子供の心の受容には、注意が必要だと思います。

その際、普通と違うことを両親から肯定されれば、安心や自信につながります。

また、障害者手帳の取得に関しては、公共のサービスや福祉などのメリットもありますが、ケースバイケースなので必要に応じて申請すると良いでしょう。

 

チーム学校と合理的配慮

 



 

学校は、多様性を受け入れ共生するチーム学校の体制を取っています。悩みや困難をしっかりと伝えれば、必要に応じた合理的配慮が受けられるでしょう。

まずは、担任やSC(スクールカウンセラー)などに支援を求める事が大切です。

ここでポイントとなるのが、学校や教員側の視点を理解することです。

そもそも、学校は学費を得ることで存続しています。

少子化の中、特に私学は優秀な学生を量産してブランド力を上げたり、良いイメージを作ることで維持できる組織です。

それだけに、保護者への配慮は極めて重要となります。

 

学校へは様々な人が集まりますので、健常者側の偽らざる本音として、

「障害児を受け入れる事によって、我が子の教育がおざなりになっては困る」

「援助が必要な児童によって、ネガティブな影響や不利益を被りたくない」

などは、あるかも知れません。

また、世話の掛かる一部の学生に費やされる労力は、学校側としても避けたいものでしょう。

 

では、どうすれば良いのか。

 

相手も人間であり、多忙を極めつつ教育に勤しむ組織人。

公私ともに様々なものを抱え、高い精神的許容力は見込めないと見るべきです。

「こうしてほしい。ああしてほしい」や、落ち度を指摘したり糾弾するなどの行為は、面倒なモンスターペアレンツとみなされ、我が子の未来を壊す事になりかねません。

当然の事ですが、障害児の権利を主張したり、利己的だと受け取られる要求は避ける事です。

 

学校側も、障害児にも開かれた校風を得ようと、良い環境を維持したいはずです。

「お世話になっています。お手数かけて申し訳ありません。ちょっとご相談があるのですが」など、節度ある感謝のこもった態度に徹すれば、好意返報性の法則によって良好な対応を得られる確率が上がります。

全生徒の“教育を受ける権利”を守るために、時には問題ある学生を退学させるのも学校の役割です。

何事も、相手の事情を考慮した言動に留意すべきだと思います。

 

社会での対策

 



 

この力学は、その後の社会にもそのまま当てはまります。

企業は、障害者雇用の義務があり、助成金が下ります。また、それによってダイバーシティ&インクルーシブ企業としての企業文化や社会貢献も得られます。

ただし、発達障害者の1年後の離職率は5割を越えるのが現状です。

就労支援なども利用しつつ、やはり様々な工夫が必要になると思います。

 

これまで受け持ってきたお仕事にまつわるご相談を通じて、離職の多くは人間関係に起因すると思います。

仕事のやりがいだとか賃金などについても、良好な職場関係があると割と乗り越えられているとも感じます。

価値観は人それぞれですが、世界を相手にする大企業で高所得を得つつパワハラを受けるよりも、地元のパン屋で豊かな関係性の中で働く方が充実感が高いと思う人がいても、何ら不思議ではありません。

 

繰り返し申し上げますが、誰もがホスピタリティを持ち合わせているわけではありませんし、関心を寄せて支援したいと考えるのでもありません。

とはいえ、互いにとって良い職場にしていきたい気持ちは同じはず。

職場の人たちは、決して障害者対応の専門家ばかりではありませんので、役に立ちたいとは思うけど何をすればいいのかわからない…。そんな方が大半だと思います。

ハンディキャップを持って働く以上、「何が出来るのか」を示し、「具体的に、必要な支援は何なのか」こちらから分かりやすく説明することが必要です。

 

言語化しなければ、何も伝わりません。ただし、聞く耳を持たない拒絶的な方とは距離を取るのも大切です。

障害者との関係構築マニュアルは、そうした実際の交流の中で作られていくでしょう。

 

支援者側のケアと環境整備

 



 

ここでは、二つの視点からご提案があります。

あなたが発達障害児の親や身内だった場合と、障害者本人だった場合です。

 

我が子にその傾向があったのなら、まずは環境整備から始めます。

その子の個性を考慮して、出来る限りの環境を整えます。

雑音が苦手だとか、動くものが視野に入ると集中が途切れるとか、その子によって様々な特徴があるかと思います。

更にペアレント・トレーニングやSST(ソーシャルスキル・トレーニング)なども効果的です。コミュニケーションに難があるASDは、SSTによって改善が見込めます。

 

育てづらいお子さんを抱えるお母さんの相談はとても多く、まずはご自身のケアから始めるのもお勧めです。

障害児や問題児を養育していると、ついつい「育て方に問題があったのではないか」「不憫に生んだしまった自分にも責任があるのではないか」などの思いに苛まれるものです。しかし、発達障害は育て方に起因するものではないことはすでに証明されています。

カサンドラ症候群(アスペルガー症候群の伴侶の心身的葛藤に伴う二次被害)などもあって、とかく身内や養育者側のストレスや苦労が指摘されますが、ご自身のケアには十分配慮して頂きたいと思います。

特に、ワンオペから父親の育児参加を促す方法は効率的で、短期療法にいくつものテクニックがあります。

 

ユダヤの育児法

 

「元気に健やかでいてくれればそれでいい」という時代は、きっと4~5歳までで、それ以降は能力や特徴、興味の対象を見つけ出し、早い時期からそれを育む環境を整えるのも親の役割だと思います。

トップ・アスリートや各界の著名人たちが、親から与えられた環境によって才能が開花していることがとても多いことに気付かされます。

 

ユダヤ人は、世界人口のたった0.2%しかいないにもかかわらず、アインシュタインやキッシンジャーなどノーベル賞受賞者の20%を占め、スピルバーグなどアカデミー賞受賞者の30%を占め、ハリウッドにはユダヤ人がひしめいています。

Googleやスターバックスなどの世界的企業を創業したのもユダヤ人であり、心理学の世界でも、フロイト、アドラー、エリクソンの3偉人が全員ユダヤ系です。

各界でその才能を遺憾なく発揮しているのですが、これは決して偶然ではありません。

それは、徹底した教育を施しているからなのです。しかもそれは学校ではなく、母親から子供に受け継がれる「家庭内教育」によって育まれていきます。

長きに渡って歴史的なハンデを背負ってきたユダヤ民族は、幼少時から物事の原理原則や仕組み、「何を、どうすれば、どうなるか」を探求をさせることでサバイバルし、成果を上げています。

過干渉とのバランスが大切ですが、何もせずに才能は発揮されませんし、障害を嘆いているだけでは何も始まりません。

実際に、アインシュタインには障害がありましたし、S・ジョブスやイチローなども同じです。

最近でも、米津玄師さんやSEKAI NO OWARIの深瀬さんなど、発達障害を堂々とカミングアウトする方が多く存在します。

未来を見据えた、英才教育ならぬ個性教育が求められると思います。

 

障害者の特殊能力

 



 

あなたが障害者本人だった場合は、丁寧にご自分の人生をプランニングする必要があります。

 

あなたは、人と同じようには出来ません。

劣っている部分も多く、無自覚に人に迷惑をかける事だってあるでしょう。

また、それにコンプレックスを感じたり、厳しく非難される事だってあるかも知れません。

 

それでも、有意義に生きていくためにはどうすれば良いのか。

 

まずは出来ることや、得意なことなどのポジティブな面に着目してはいかがでしょうか。

イメージを絵に描けるのか。

空想を文章に出来るのか。

ボカロで作曲が出来るのか。

ハイスペックなPCを組み立てられるのか。

子供や老人に優しく出来るのか。

おいしいパンが焼けるのか。

 

すぐに仕事に直結しないかもしれませんが、そういった事に時間を使ってみてください。

エキセントリックな人たちは、何かしら特別な能力を持っているものです。

偏りを埋め合わせるかのような卓越した才能を開花させ、活躍する方は大勢います。

社長にADHDが多かったり、専門性の高い業種にASDが多いのは特に有名ですが、いずれ芸術家になるのも、エンジニアになるのも、新事業を起こす事も夢ではありません。

あるいは、その能力を現在の仕事に活かす事も出来るでしょう。

 

神様に選ばれた子

 

日本の古い風習で、障害や身体的な特徴を持った子供が生まれると“神様に選ばれた子”として手厚く育てられたそうです。

社会扶助としての工夫なのかも知れませんが、美しいリフレーミングだと思います。

 

障害ゆえの特別な能力。それに気付き、活かせるかが最大のカギです。

 

地元の小さなパン屋さんを、あなたのアイデアで全国展開させることだって可能です。

あなたの曲に高評価が集まって、世界的にバズることだって出来ると思います。

そして、あなたにしか出来ない、新時代の仕事が生まれる可能性だってあるのです。

 

“普通でない”ことを恥じるのではなく、“普通である”ことを恥じる時代だという人がいます。

 

今までもそうだったように、普通ではない人たちの感性が新しい世界を作るのではないでしょうか。

 

 

個性を発揮したいと思ったら、心理相談へ。

 

 

行政機関窓口

発達障害情報・支援センター

 

 

 
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