ダブルバインド(二重拘束)とは何か

人は矛盾しています。

 

痩せたいと言って食べるし、良い人生を送りたいと言って怠けます。

子供に幸せになってほしいと言いながら夫婦喧嘩をします。

あれこれと指示してくる上司に限って、人望もリーダーシップもありません。

多くの称賛を受ける世界的実業家は、死の間際に「喜びの少ない人生だった」と後悔します。

 

言動が一致していることが必ずしも立派で偉いことだと言えませんが、口で言っているだけでなく、「目的」と「行動」が不一致していることは事実です。

こういった矛盾性から精神疾患を研究したのが、米国のMRI(メンタルリサーチインスティテュート:パロアルト・グループ)です。

統合失調症の要因の一つとして「ダブルバインド理論」が発表され、各界に衝撃を与えました。

 

例えば、母親が子供に「早く自立して一人前になれ」と叱り続けます。
一見、親としての当たり前の躾にも思えます。
しかし子供の反応は、「うるさいな。向こうへ行け!」だとします。

でも母親は負けません。

「ダメよ!もう子供じゃないんだから、しっかりするのよ!」

「うるせーな!消えろ!」

またまた頑張ります。

「怒るわよ!ちゃんとしなさい!」

「うざってーっつってんだろ!ババァ!」

抵抗が続きます。
でも負けずに頑張ります。

「ダメよ!親に向かってそんな言葉使い!」

「うるせーっ!死ね!」

ここで止めるわけにはいきません。
この子の将来がかかっています。

「一体どうするのよ?いつまでそうやってグズグズしてるのよ!」

「知るか!じゃあ、どうにかしてみろよ!」

(涙目の母親と、鬼のような目で睨みつける子供)

 

午後10時過ぎ…。

そっと夕食時に置いておいたグラタンは、まるで野犬が食べた後のような姿でドアの外に放り出されていた。

 

さて、この母親の行動は目的に沿った行動だと言えるでしょうか?

少なくとも、労力と成果は反比例しているようです。

なぜなら、ここにはダブルバインドが隠されているのです。

まず、母親に決定的な矛盾があります。

自主性を促すとして「口うるさく干渉し続ける」という行為です。

これで子供は、「自分は信頼されていない」「ダメだと思われている」ということを感じます。

 

「お前はいつまでも幼い子供だ」

「親に歯向かい続けろ」

「未熟なままでいろ」

「自立するな」

そういう裏メッセージを感じてしまいかねません。

ただし、当の母親はそれに無自覚で、全く悪気はありません。

そして、堂々巡りを形成し、ニートや不登校が生まれたとしてもこのシステムには気付けません。

自分が正しいと「思い込んでいる」からです。

表面では「自立せよ」という言葉で拘束し、裏では「(あれこれ干渉して食事や生活の世話をして)自立するな」という裏のメッセージで拘束する。

これが、代表的なダブルバインドです。

こういった表と裏に矛盾があると、子供はどうすればいいのか分からず身動きが取れなくなり、過剰なストレスから病気になってしまうという研究です。

 

 

確かに、街を歩いていても矛盾ばかりが目につきます。

公園で…
母親「ちゃんとお友達と仲良くしなさい!」
子供『ママだって、誰のママとも仲良くしてないじゃん』

バスで…
母親「騒がないで!迷惑でしょ!」
子供『お母さんの声が、一番大きい…』

レストランで…
母親「なんで妹の事殴るの!お兄ちゃんでしょ!」(バチン!)
子供『お母さんが、一番殴るじゃん…』

家で…
母親「早く結婚して家庭を持ちなさい」
子供『お前たちを見てて、家庭なんか夢も希望も持てないわ!』

日常で…
母親「お前は私の宝物だよ」(表情はこわばり、引きつっている)
子供『僕は、愛されていない…』

 

本当の「目的」は何か?

それに至るための「ベストな行動」は何か?

それは実際に「結果」に繋がったのか?

 

人間は、矛盾だらけの生き物です。

だからこそ、ダブルバインドにはお気を付けください。

 

…そう言って、また深夜のウイスキー。

この矛盾の甘美で芳醇なる悦楽…。

 

矛盾に乾杯(という矛盾)。

 

 

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